りえが来る！




　テレビを見ている二人


プルルルル･･･プルルルル･･･プルルルル･･･

『あ、あたしが出ます』
　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　････････････
　　　　　　　　　　　　　　　　
　涼子『もしもし？あ、りえちゃん。どうしたの？』
　りえ「--------------------？」
　涼子『明日？別に何の予定もないけど･･････』
　りえ「--------------------？」
　涼子『えっ？、ちょっ、ちょっと待ってよ。あたし、ここの居候なんだから、
　　　　そんな勝手なこと･･･』
　りえ「--------------------？」
　涼子『え？そりゃそうだけど･･････』
　りえ「--------------------？」
　涼子『う、うん･･･。でも･･･。わかった。ちょっと待ってて』


　　　　････････････
　『あの、ちょっとお願いがあるんですけど･･･』

「なに？」
『友達のりえちゃんが･･･。えっと、この間、あたしを家まで送ってくれた彼女なんですけど、彼女が、
　明日、うちに泊まりに来たいって言うんですよ･･･』
「泊まりに？ウチに？」
『ええ。あたしはダメだって言ってるんですけど、「ダメモトで聞いてみて」って･･･。ご迷惑ですよ
　ねぇ、やっぱり･･･』
「そんなことないよ。遠慮なく連れておいでよ」
　『ホントですか？』
　「ああ、大歓迎さ。ただし、何のおもてなしもできないけどね」
　『あはっ、ありがとうございますっ！』


　　　　････････････


涼子『あ、りえちゃん？いいって！』
りえ「--------------------！？」
涼子『うん、うん！わかった。それじゃ明日。待ってるから。それじゃね！』

　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　　　　　　　　・

『無理を聞いてもらって、すいませんでした。まったくりえちゃんって、ものすご～くワガママ
　だから』
「ふうん。そんなこと言って、涼子ちゃんはりえちゃんに遊びに来てほしくなかったのかい？」
『えっ？そ、そんなことは･･････』
「本当は嬉しいくせに」
　『へへ･･････』

『それじゃ勉強があるから、部屋に行ってます。ありがとう』




りえのセリフ欄はご想像の上、脳内再生してご観覧ください（笑）。

りえの性格と行動力が明らかになったエピソードです。何しろこの電話は涼子がこの家に来てわずか２週
間後のことで、その翌日には本当にお泊りに来るわけですから、りえがいかに物おじしない強者であるか
よくわかるというものです。

一方で今回、負けず劣らず目を引いたのが涼子のクルクル変わる表情の流れ。実際、こんな女子と接する
と『さぞ疲れるだろうな～』と思うのですが、そこは強靭な精神力の主人公クン。何事もないような受け
答えで流しています。まぁこれぐらいで慌てていたら、この先次々と起きていった涼子がらみの様々なア
クシデントには付いてはいけないでしょうから。主人公クンのガンバリはこれからです。